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MMDtips集〜モーション編3〜

◇Tips3 マクロを使った物理焼き込み~応用編~◇

モーション編第3段は『マクロ物理焼き込み応用編』です。

前回のMMDtips集〜モーション編2〜で解説できなかった目的その③アクションや走行などで激しく位置が動くときに発生する貫通や物理破綻を修正したい。について書きたいと思います。

MMDでアクションや走行モーションに挑戦すると、物理破綻という強敵と戦わなければいけません。速い動きや位置移動には物理破綻がどうしてもつきものですが、今回は少しでもその戦いに楽に勝てるようになる、、といいなぁというものです。

今回はFateシリーズのセイバーさんに乗馬してもらったこの動画を例に挙げてみます。

  (model:リボン犬様、ピコリ様 stage:フレスベルク様) 

セイバーさんが乗った馬が「全ての親」ボーンでZ軸方向へ900ほど移動している、という100フレームほどのモーションです。この動画のセイバーさんはすでに物理焼き込み済の状態で出力しています。

モデルさんの物理破綻が酷くなるので焼き込み前の動画は載せませんが、全ての親ボーンで大きく移動しているこのモーションをもし焼込み無しで出力すると、セイバーさんのスカートが後ろ方向へ足を貫通し、前髪が前方向へ引っ張られ、物理破綻してしまいます。これだけの速さ&距離の移動となると避けて通れない現象ですね…。

 

そこでマクロ物理焼き込みの登場です!

<手順1>まず馬の「全ての親」ボーンの移動を一度削除し、同じ場所で足踏みしているような状態をつくる。

 まだ物理焼き込み前ですが、全ての親ボーンの移動が無いのでセイバーさんのスカートや髪も物理破綻していません。

<手順2>マクロ物理焼き込みで、セイバーさんの物理ボーンを焼き込む

物理ボーンを選択→トレースモードに切り替え→マクロで物理焼き込みを実行しています。馬の尾や手綱にも同様に物理焼き込み処理をします。

<手順3>馬の「全ての親」ボーンの移動を登録する。

 全ての親ボーンの105フレーム目にZ軸-910の数値を登録し、再生してみます。足踏み状態で物理ボーンは焼き込み済なので破綻していませんね。

 

これがいつも私が使っている「移動させる前に物理を焼き込んでおくことで破綻を回避する作戦」です。一度移動を削除する必要はありますが、貫通を手修正する手間がかなり省けます。これを応用するとマントのはためきや、髪のなびきもいい感じの動きを付けれるようになるかなぁと思います(当社比)

色んなモーションに使える小技だと思うので、よければ試してみてください~!

※今回は物理ボーン全てに焼き込みしたので、<手順3>の段階では物理設定を「オン/オフモード」にしても「演算しない」にしても出力結果は同じです。

※元も子もないですが今回のモーションであれば、モデルを前へ移動させるのではなく、ステージを後ろへ移動させてもいいと思います…笑

 

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